プロフェッショナルとは ~成果をあげるために~

お金をもらって仕事をするということはプロフェッショナルであるということです。
プロフェッショナルである以上、報酬に見合った成果をあげることが求められます。
それではどうすれば成果をあげられるのでしょうか?
ただ闇雲にがんばるだけでは成果はあげられません。
成果とは何であるかを知って、成果をあげるための正しい努力をしなければ成果はあがらないのです。

プロフェッショナルにとっての成果が何かと言うと、顧客に対する貢献です。
顧客に対して、顧客の期待に応える価値を提供してはじめて成果をあげたといえるのです。
大事なのは顧客にとっての価値です。
自分にとっての価値ではありません。
したがって、成果をあげるためには顧客が何を求めているのかを知る必要があります。
それは顕在化している場合もあれば、潜在的なものである場合もあります。
一見顕在化しているように見えても、実はそれは表面的なもので、真に求めるものは顧客ですら気づいていないかもしれません。

ちなみに、ここでいう顧客とは直接お金を払ってくれる狭い意味での顧客ではありません。
自分の成果を利用する人すべてが自分にとっての顧客になるのです。
新人だとすると、初めての顧客は先輩や上司であることがほとんどでしょう。

私はSIerでインフラ系のSE(プロマネ)をしていたことがありますが、そのときに自分が顧客と考えていた人は多岐にわたります。
まず社内でいえば、チームメンバー、自部門の上司、業務アプリ開発チーム、担当営業、技術調査部門などを顧客と考えていました。
社外だと、実際の顧客(ユーザー部門、システム部門)、ベンダー(ハードウェア、ソフトウェア)、協力会社などを顧客と考えていました。
一般的には、ベンダーや協力会社は顧客ではなく、逆にこちら側が顧客なのではないかと考えるかもしれません。
もちろんそれも正しいのですが、ベンダーや協力会社にきちんと成果を出してもらうために、その前提となる価値をこちらから提供するという意味で顧客と考えていました。
具体的に言うと、ベンダーの持っている能力を引き出して、こちらが求めるレベルの成果を導き出すことのできる「指示(情報提供を含む)」が、顧客としてのベンダーに対する成果になります。

ここで挙げたそれぞれの顧客が求めるものを考え、価値を提供すべく行動していたのです。
簡単に「顧客の求めるもの」と書いていますが、表面的な要求だけを捉えるのでなく、システムとしての全体最適の視点を持って、顧客が真に求めているものを考え抜きました。

「顧客が求めるもの」は簡単にわかるわけではありませんが、「顧客が求めるもの」を考え、そのために自分がどのような価値を提供することが出来るのかを考える習慣を付けることが成果を出す第一歩となります。

「顧客が求めるもの」を導き出すためには、情報を収集/整理/分析する力はもちろん、想像力も必要になります。
ステークホルダーが多岐にわたる場合は、全体最適の視点も欠かせません。
これらは一朝一夕に身につくものではありませんが、努力することで誰でも身につけられる能力だと考えています。