いまさら「もしドラ」

NHKで「もしドラ」のアニメが放送されるということもあり、いまさらですが「もしドラ」を読みました。

自分は社会人数年目で「プロフェッショナルの条件」に出会って以来のドラッカリアンなのですが、正直ちょっとなめてました。
ストーリーもよかったのですが、著者のドラッカーの言葉に対する理解度の高さやドラッカーを敬愛する気持ちが伝わってきて、一気に読んでしまいました。

主人公みなみの一番の成功要因は、「マネジメント」で書いているマネージャーが野球部のマネージャーとは別だと気づいたあとに、それでもこの理論を野球部のマネージャーに適用してみようと思ったことだと考えています。
簡単そうなことなのですが、これがなかなかできないことなのです。
以前「ザ・ゴール」という企業小説が流行りましたが、「自分は製造業でないから関係ない」と言う人が多いことにとても驚いたことを覚えています。

ある事例を抽象化し、それを自らの事例に適用するという「コンセプチュアルスキル」をみなみが高いレベルで持ち合わせていたというのが大きいですね。
著者がどこまで意識していたかはわかりませんが、みなみの行動には普通は軽く読み飛ばしてしまうようなことだけど、ビジネス上での成否を分けるような行動が多く含まれています。
このような行動は、仕事が出来る人にとっては当たり前すぎる常識であるため、あまり教えられることもありません。
おそらく著者も優秀な人であると思うので、無意識で書いている可能性もあるのではないかと思っています。
もちろん、意識的にせよ、無意識にせよ、みなみがこのような能力を持っていなかったら話は進まないのですが(笑)

これまでは若手に対して、一番読みやすいと思われる「プロフェッショナルの条件」を薦めていたのですが、これからは自信を持って「もしドラ」を薦めることが出来ます。
やはり読みやすいと言っても「プロフェッショナルの条件」だと初心者にはちょっと敷居が高いところがあったので。