その行動の目的は何か

自分が若手に教えていることのひとつに「GPDCA」という手法があります。
PDCA部分の Plan-Do-Check-Action は一般的なものと同じですが、その行動の目的(Goal)を確認し、目的と行動を照らし合わせるという点が違っています。
目的を間違って捉えているために、遠回りな(時には誤った)行動をとってしまうということは結構あります。

最近の政府(特に菅総理)の行動は、目的を勘違いしているとしか考えられません。
本来ならば、被災者の救済、被災地の復旧が目的になるはずですが、政府にとっては違うようです。

「震災対応を通して人気を回復する」

これが目的になってしまっているようです。
現地のとって邪魔でしかない無駄な視察を繰り返していることが何よりの証拠です。
東京電力東京消防庁の貴重な時間を奪って恫喝まがいのことをしているのも、復旧より人気取りを優先しているからでしょう。
菅総理は過去にかいわれパフォーマンスで人気を得たという経験があるので、その再来をと思っているのでしょう。

ただこの問題が厄介なのは、おそらく菅総理は本気で被災者、被災地のために行動しているつもりだろうということです。
政府の人気取りのために行動しても、全く役に立たないというわけではないので気づきにくいのです。

ちょっと話は変わりますが、「子供のためだから」とうるさいことを言う親は多いですよね。
その親の行動すべてが間違っているとは言いませんが、突き詰めてみると「親の世間体のため」に言っていることも少なくないです。
ただ、親はそのことに気づかず、本気で子供のことを思って言っているつもりでいます。
規模は違いますが、同じことが菅総理にも起こっているのでしょう。

わざと目的を履き違えているわけではないので、本人としてはベストを尽くしているつもりなのです。
ビジネスの現場でもこのようなことはよく起こります。

このような間違いを防ぐためにGPDCAを習慣化する必要があるのですが、一国の首相がこの程度のことも出来ないなんて悲しくなりますね。
野党のときは与党の批判をしていればそれなりに仕事をしているように見えますが、与党は自ら意思決定していかなければなりません。
しかし、GPDCAすら習慣化していない政府には荷が重すぎたようです。