原因はひとつではない
今回の原発騒動でよく耳にする意見があります。
「原発は危険だから止めるべきだ」(原発反対派)
「想定外の災害が起きたせいで事故が起きた」(原発推進派)
どちらも正しいとは思えません。
日本人の特徴なのか、安易に原因をひとつに求めようとします。
しかし、今回の事故は様々な要因が複雑に関係していて、とてもひとつの原因で片付けられるとは思えません。
自分も専門家ではありませんが、事故以来、見聞きした情報をもとに問題を整理してみました。
少なくとも、「設計」「建設」「運用」「事故対応」の4フェーズに分けて考える必要があると考えています。
1. 設計
想定外と言っていますが、そもそもどのような想定で設計したのでしょうか。
最初の設計時には、地震は想定したが津波は想定していなかったという話もあります。
想定が楽観的すぎて国会で追求されていたとも聞いています。
また、発電所の形式自体も政治的要因で決まってしまい、地震の多い日本には適さないものだという話もあります。
2. 建設
想定をもとにした設計どおりにきちんと建設されていたのでしょうか。
なお、この点についてはこれまで特に話題には上っていないようです。
3. 運用
きちんと災害対策を想定した運用を実施していたのでしょうか。
今回は災害のための非常用の装置がことごとく役に立ちませんでしたが、運用に問題はなかったのでしょうか。
現在の東京電力の社長はコストカットで実績を上げて社長になったと聞いていますが、その影響はなかったのでしょうか。
また、この発電所自体、当初の想定期間を超えて運用されていますが、それには問題はないのでしょうか。
新しい発電所が建設できず、やむを得ず想定運用期間を過ぎた発電所を騙しだまし使っているという話も聞きました。
4. 事故対応
菅総理の視察によって初期対応が遅れたという話を政府は否定していますが、本当にそうなのでしょうか。
また、そもそもの初期対応に誤りはなかったのでしょうか。
当初は廃炉を避けるための対応を行ったことで、問題が拡大してしまったということはないでしょうか。
素人の自分がちょっと調べただけでもこれだけの問題点があげられます。
専門家がきちんと調べればもっと出てくることでしょう。
そのような原因分析もせずに曖昧にお茶を濁すことだけは避けてもらいたいものです。
本来はマスコミが追求する役割を担っていると思うのですが、日本のマスコミには一切期待できないのが悲しいところです。
※追記※
記事を書いたあとで、ロイターの記事を見つけました。
日本のマスコミにこのレベルの記事を求めるのは酷なのでしょうか?