律速とは

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ブログをリニューアルしたのですが、「律速」で検索して来る人がいまだに絶えないので、この記事だけ残しておきます。
ちなみにこの記事は3年以上前のものです。
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律速を検索してこのブログにやって来る人が予想以上に多いです。
申し訳ないので、律速についてちゃんと説明しておきます。

律速とは化学反応速度論で用いる用語で、全体の速度に影響を与える過程をさします。
例えば、A → B → C と反応が進むとき、[A → B の速度] > [B → C の速度] だとすると、 A → B の反応が早く進むための触媒などを加えても全体の速度は変わりません。
B → C の反応を早く進ませることによってはじめて全体の速度が早くなるとき、B → C をこの反応の律速と呼びます。
したがって、全体の速度は律速に手を加えない限り変化しないのです。

この考え方は工場などの生産現場にも応用できます。
Aを加工してBができ、Bを加工してCができるとき、B → C が律速になっているのであれば、 A → B をいくら早くしても全体の生産速度は上がらないのです。
こうして見ると当たり前のようですが、A → B と B → C の担当部署が違っていたりすると部分最適化が図られ、B → C が律速になっているのに A → B を早くするために設備投資が行われたりしてしまうのです。

私は、化学反応速度論を学んでいたおかげで、自然と全体最適の視点を持つことができたと思っています。